内科専門医制度における70疾患群①
内科専門医制度において専攻医は70疾患群の症例を経験し、J-OSLERに登録することが求められています。 ここでは各疾患群に属する具体的な疾患名と求められる到達レベルについて示します。
J-Oslerについてはこちらの記事を参照してください。
内科専門医制度の研修カリキュラムでは各疾患群に「到達レベル」が設定されています。「到達レベル」はA、B、Cとして下記のように区別されてます。
- A:主担当医として自ら経験した。内科専攻医自身が主治医としてその疾患の症例の診療に携わっている。
- B:間接的に経験している(症例をチームとして経験した、または症例検討会を通して経験した)。 内科専攻医が直接主治医として担当していなくても、診療チームの一員として、あるいは症例検討会などを通じてその疾患について学んでいる。
- C:レクチャー、セミナー、学会が公認するセルフスタディやコンピューターシミュレーションで学習した。 実際の症例経験ではなく、座学や自己学習によってその疾患について学んでいる。
この記事では疾患群として「総合内科I、II、III」について紹介したいと思います。
総合内科
1. 総合内科Ⅰ(一般)
| 疾患群 | 総合内科Ⅰ(一般) | 到達レベル |
| 1 | 1) 輸血と移植 | A |
| 2) 介護と在宅医療 | A | |
| 3) 死 | A | |
| 4) 緩和ケア | A | |
| 5) 終末期ケア | A | |
| 6) 喫煙 | A | |
| 7) 睡眠障害(内科疾患合併) | A | |
| 8) 睡眠薬 | A | |
| 9) 抗不安薬 | A |
2. 総合内科Ⅱ(高齢者) (原則として65歳以上で、かつ加齢に伴う変化が強く関与した病態について)
| 疾患群 | 総合内科Ⅱ(高齢者) | 到達レベル |
| 1 | 1) 認知症を合併する慢性疾患 | |
| ① 糖尿病 | A | |
| ② 高血圧 | A | |
| ③ その他 | B | |
| 2) 低栄養 | ||
| ① エネルギー・タンパク低栄養 | A | |
| ② 脱水,低ナトリウム血症,低カリウム血症 | A | |
| ③ 微量元素不足 | B | |
| 3) 嚥下性肺炎 | A | |
| 4) 転倒,骨折,骨粗鬆症 | ||
| ① 転倒 | A | |
| ② 骨折 | A | |
| ③ 骨粗鬆症 | A | |
| 5) 廃用症候群 | A | |
| 6) 在宅患者 | A | |
| 7) 高齢者終末期医療 | A | |
| 8) 自宅退院ができず,退院調整を必要とする患者 | A | |
| 9) polypharmacy | A |
3. 総合内科Ⅲ(腫瘍)
| 疾患群 | 総合内科Ⅲ(腫瘍) | 到達レベル |
| 1 | 1) がん薬物療法の副作用と支持療法 | A |
| 2) 緩和医療と終末期医療 | A | |
| 3) がんの主要症候に対する対応 | ||
| ① 疼痛 | B | |
| ② 悪心・嘔吐 | B | |
| ③ 骨転移 | B | |
| 4) 腫瘍随伴症候群 | B | |
| 5) オンコロジーエマージェンシー | B |
まとめ
内科専門医の研修の「総合内科Ⅰ(一般)」、「総合内科Ⅱ(高齢者)」、「総合内科Ⅲ(腫瘍)」には、特定の診療科の領域ではなく内科で必須と考えられる包括的な領域が設定されています。
「総合内科」の疾患群については症例が経験できずに登録ができないということはないと考えられます。どの内科のサブスペシャリティ領域でも必要な研修内容でもありますので、これらの疾患群も意識しながら内科専門医研修を進めていきましょう。




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