はじめに
日本内科学会の内科専門医プログラムではJ-Oslerに病歴要約を作成して評価を受け承認される必要があります。この記事では内科専門医を目指す上で避けて通れない病歴要約の評価プロセスについて、解説します。病歴要約の評価は個別評価、一次評価、二次評価という3つのフェーズで管理されており、それぞれの段階で異なる役割の指導医が関わります。
個別評価:担当指導医の評価
まず内科専攻医が病歴要約を作成し、担当指導医に評価を依頼するところから始まります。この担当指導医による評価を個別評価と呼んでいます。
- 誰が評価するか:担当指導医。
- 評価結果:「承認」または「差戻し」のいずれかが通知されます。
- 差戻しの場合:病歴要約を修正し再度評価依頼を行います。
一次評価:プログラム内での病歴要約の評価
個別評価で「承認」された病歴要約の中から内科専攻医が29件を選択して、プログラム責任者に一次評価を依頼します。プログラム責任者はプログラム内の病歴指導医を指名して、その病歴指導医が病歴要約を評価します。一次評価は研修施設内の指導医による評価になります。
- 専攻医の役割:個別評価で承認された病歴要約から29件を選択し評価依頼を行います。研修3年目以降の4月~10月末が評価期間です。
- プログラム統括責任者の役割:
- 専攻医からの評価依頼を受け、病歴指導医を指名します(目安は7日以内)。
- 病歴指導医の評価完了後、病歴要約29件の最終確認を行います(目安は初回評価14日以内、差戻し後7日以内)。
- 病歴指導医の役割:
- プログラム統括責任者から指名を受け専攻医の病歴要約29件を評価します。個別評価済みであっても29症例全体を通して改めて評価します。
- 各病歴要約に「Accept(承認)」「Revision(要修正)」「Reject(要差替え)」を登録します。
- 29件全体に対する「総括評価(コメント)」も登録します。総括評価の登録がないと評価は完了しません。
- 「Reject(要差替え)」は初回評価時のみ選択可能です。
- 評価結果の通知:29件すべての評価が完了し総括評価(コメント)が確定した時点で、専攻医に評価結果が通知されます。1件でも「Revision」や「Reject」があると、病歴要約29件全体が「差戻し」となります。
- 差戻しの場合:専攻医は「Revision」の病歴要約を修正し、「Reject」の病歴要約は別のものに差し替えて再度評価依頼を行います。
二次評価:プログラム外部の査読委員による評価
一次評価を通過した病歴要約29件は二次評価に進みます。二次評価は日本内科学会が指定した査読委員によるプログラム外部の評価です。研修施設外による査読委員による評価が行われます。
- 専攻医の役割:一次評価を通過した病歴要約29件について評価依頼を行います。研修3年目以降の5月~翌年2月20日が評価期間です。
- 査読委員の役割:
- 病歴要約29件を評価します。二次評価では29症例の個別評価に加え、病歴全体の評価が行われます。
- 各病歴要約に「Accept(承認)」「Revision(要修正)」「Reject(要差替え)」を登録します。
- 29件全体に対する「総括評価(コメント)」も登録します。総括評価の登録がないと評価は完了しません。
- 査読委員の評価画面には専攻医の情報は表示されず、専攻医の画面にも評価者である査読委員の名前は表示されません。
- 評価結果の通知:一次評価と同様に29件すべての評価が完了し、総括評価(コメント)が確定した時点で専攻医に評価結果が通知されます。1件でも「Revision」や「Reject」があると、病歴要約29件全体が「差戻し」となります。
- 差戻しの場合:専攻医は「Revision」の病歴要約を修正し、「Reject」の病歴要約は別のものに差し替えて、再度評価依頼を行います。「Reject」で差し替えた病歴要約は、再度病歴指導医とプログラム統括責任者の評価を受けた後、査読委員の評価を受けることになります。
- 形成的評価:二次評価では必要に応じて最大3回までの差し戻しが行われることがあります。
まとめ
J-OSLERにおける病歴要約の評価は、個別評価、一次評価、二次評価から成り立っています。内科専攻医が作成した病歴要約を臨多角的に評価成長をするシステムになっています。
- 個別評価:担当指導医による個別の病歴要約の評価。
- 一次評価:プログラム統括責任者と病歴指導医による29件の病歴要約のプログラム内評価。
- 二次評価:内科学会が指名した査読委員による29件の病歴要約のプログラム外部評価。


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