内科専門医試験は、広範な内科知識と臨床判断力が問われるため、効率的かつ計画的な対策が重要です。この記事では内科専門誌試験の対策教材として「日本内科学会の刊行物」、「問題集」、「オンライン教材」などの特徴や注意点について解説します。
日本内科学会の刊行物
【認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集 第1集・第2集】
- 特徴
- 内科専門医試験の原型となる認定内科医試験および総合内科専門医試験の過去問題をまとめた教材です。
- 第1集は2016年度の出題問題の計550題から316題を抜粋したものです。解説はほぼありません。定価は税込み5000円です。
- 第2集は2018年度の出題問題から認定内科医試験問題190題、総合内科専門医試験問題144題の計334題が掲載されています。簡単な解説がついています。定価は税込み6000円です。
- 過去の日本内科学会が行っている試験で実際に出題されている問題です。内科学会公式の問題集でもあり、出題傾向の把握に適していると思います。
- 注意点
- 解説はほぼないため、参考書と併用して理解を深める必要があります。
- 一般の書店では取り扱いがなく、日本内科学会のホームページから購入を申し込む必要があります。また在庫切れのためすぐに入手できないこともあり得ます。
【セルフトレーニング問題】
- 特徴
- 日本内科学会のセルフトレーニング問題は内科専門医や総合内科専門医の資格更新のための必須企画として1998年より正式に採用されています。
- 出題分野として内科一般、漢方、消化管、肝臓、胆道・膵臓、循環器、内分泌、代謝、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー、膠原病、感染症、救急など、多岐にわたる分野から出題されます。毎年50題が出題されます。web版は2000円、マークシート版は3000円です。
- 内科専門医、総合内科専門医の資格更新に必要な単位を取得するための問題ですが、日本内科学会が問題を毎年作成しており、内科専門医試験の出題範囲や出題傾向は似ているものと思われます。内科専門試験の出題傾向を理解するうえで有効と考えます。
- 注意点
- セルフトレーニング問題自体は試験問題ではなく、調べながら解答する前提で作られていると思います。実際の試験難易度よりもかなり難しい問題も含まれていると感じます。
- 一般の書店では取り扱いがなく、日本内科学会のホームページからセルフトレーニング問題の申し込みます。申し込み期間は毎年6月から9月までとなっていることが多く、期間外では申し込むことが出来ません。
- 最新の数年分のセルフトレーニング問題以外は次に述べる「生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説」に書籍としてまとめられています。
- 「生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説5集」が発売されるまでは最新のセルフトレーニング問題の入手が困難であったため、内科専門医試験対策として活用されていました。
【生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説 第1-5集】
- 特徴
- 日本内科学会の作成しているセルフトレーニング問題の過去問をまとめた教材です。
- 第1集は2008年4月10日に発行され、2003年から2007年のセルフトレーニング問題から201問を抜粋したものです。定価は税込み4000円ですが、2025年2月現在で在庫なく購入することは出来ません。
- 第2集は2012年4月12日に発行され、2008年から2011年のセルフトレーニング問題から198問を抜粋したものです。定価は税込み4000円です。
- 第3集は2015年4月10日に発行され、2012年から2014年のセルフトレーニング問題に新作問題を加えた272問が掲載されています。定価は税込み4000円です。
- 第4集は2018年4月10日に発行され、2015年から2017年のセルフトレーニング問題に新作問題を加えた275問が掲載されています。定価は税込み5000円です。
- 第5集は2024年4月10日に発行され、2018年から2022年のセルフトレーニング問題に新作問題を加えた328問が掲載されています。定価は税込み7700円です。第4集の発行から6年経過しており、久ぶりの発行となりました。
- 日本内科学会が出題しているセルフトレーニング問題の過去問になります。内科学会公式の問題集でもあり、出題傾向の把握に適していると思います。
- 他の参考書や問題集ではあまり取り扱われていない、統計、感度特異度、漢方などの問題についても学習することが出来ます。
- 注意点
- 2025年時点では第1-4集の内容は古くなっています。2025年の試験対策としては第5集で十分だと思います。
- セルフトレーニング問題自体は試験問題ではなく、調べながら解答する前提で作られていると思います。実際の試験難易度よりもかなり難しい問題も含まれていると感じます。
- 一般の書店では取り扱いがなく、日本内科学会のホームページから購入を申し込む必要があります。また在庫切れのためすぐに入手できないこともあり得ます。
【内科救急診療指針2022】
- 特徴
- 日本内科学会の刊行している書籍でJMECC(日本内科学会認定救急・ICLS講習会)の教材です。「救急初期対応総論」、「症候論」、「各論」の章に分けられており内科救急診療に必要な知識を身に着けることが出来ます。書店で購入することができ、定価は税別10000円です。
- 日本内科学会が刊行している書籍で内科救急や当直で必要となるような知識の学習にも有用です。
- また臓器別の教科書では勉強しにくい救命処置などの部分の学習には適していると考えます。
- 注意点
- 内科専門医試験のための書籍ではなく、JMECCの教材として刊行されている書籍です。問題集ではありません。
2. 問題集
THE内科専門医問題集 ver.2 1-3
- 特徴
- 米国内科専門医試験対策のベストセラー問題集「MKSAP」の日本版を目指して作られている問題集です。
- Ver.2 1-3の3巻からなっており、計600問が掲載されています。それぞれ税込み7480円です。
- 2024年2月に医学書院が発売しました。
- 付録としてWEB版の1年間の利用ライセンスがついています。
- CareNet TVの「THE 内科専門医問題集’見るラヂオ’」で本問題集のチーフエディターの筒泉貴彦先生、山田悠史先生が解説している関連した番組が配信されています。
- 専門医試験に準拠した出題構成と出題形式で構成されています。
- 臨床問題対策として活用しやすいと思います。
- 注意点
- 日本内科学会の公式の問題集ではありません。
試験のあとも残しておきたい内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集 改訂第2版
- 特徴
- タイトルにもなっているように「試験のあとも残しておきたい」を目指いして作られている問題集です。
- 出題頻度を「総」「専」「認」A〜Cで表現されており、試験対策に活用しやすくなっています。
- 税込み9900円です。
- 2025年3月に中外医学社から発売されました。
- 実際の症例をベースにした臨床にも応用しやすい問題が掲載されています。
- 臨床問題対策として活用しやすいと思います。
- 注意点
- 日本内科学会の公式の問題集ではありません。
クエスチョン・バンク総合内科専門医試験 予想問題集 Vol.1.2
- 特徴
- 医師国家試験の問題集として有名なクエスチョン・バンクの内科専門試験の問題集です。
- 税込み9900円です。無印(Vol.1)は税込み、Vol. 2は税込み
- メディックメディアから出版されています。無印(Vol.1)は2016年7月、Vol. 2は2017年7月に発売されています。
- 実際の症例をベースにした臨床にも応用しやすい問題が掲載されています。
- 臨床問題対策として活用しやすいと思います。
- 注意点
- 日本内科学会の公式の問題集ではありません。
- 発行日がやや古いので最新の情報は反映されていません。
- 2025年3月現在は入手が難しいと思います。
イヤーノート内科・外科、付録の内科系専門医試験 Quick Check
- 特徴
- 医師国家試験の対策教材として有名なイヤーノートです。
- イヤーノートに付属している内科系専門医試験 Quick Checkは一問一答の問題集は知識の確認にとして役立ちます。
- イヤーノート内科・外科は税込み30360円です。
- 書籍版を購入した方はアプリ版(mediLink)を税込み13200円で購入できます。
- イヤーノートは試験対策に必要な内容が網羅されており、勉強に便利です。
- 内科系専門医試験 Quick Checkは過去問を参考にして作られており知識のチェックに活用できます。アプリ版もあり移動中などのすき間時間にも勉強しやすいです。
- 注意点
- 知識の整理には良いですが、理解を深めるための勉強には適していないように思います。
3. オンライン教材
CareNeTV
- 特徴
- 医療情報サイトCareNet(ケアネット)が運営している臨床医学チャンネルです。
- 内科専門医試験の対策講座になりそうな講座として「内科専門医試験バーチャル模試」、「THE内科専門医問題集見るラヂオ」、「長門流内科専門医試験出るズバッ!LIVE」、「総合内科専門医試験オールスターレクチャー」などを視聴することができます。
- 月額5500円で利用可能です。
- 内科専門医試験対策以外にも臨床に役立つ様々なコンテンツがあります。
- 問題集だけではなく、講義のコンテンツもあります。
- 入会月は無料でコンテンツを視聴することが出来ます。
- 注意点
- CareNetに会員登録する必要があります。
- 月額利用料がかかります。
- CareNeTVの利用にはCareNetへの登録が必要です。下記から登録できます。

Q-Assist 内科専門医試験
- 特徴
- メディックメディアが販売している内科専門試験対策講義です。
- 「Q-Assist 内科専門医試験」は受験生への徹底したヒアリングから、過去の出題テーマを徹底分析したものを講義形式にしており、効率よく学習できます。
- 1動画は約5~10分程度であり、通勤中などのすき間時間にも学習しやすいです。
- 講義のプリントはPDFでダウンロード可能であり、「QBオンライン内科専門医試験」や「イヤーノート」などで確認した内容をメモすることもできます。
- 「Q-Assist 内科専門医試験」は33000円です。下記の「QBオンライン内科専門医試験 2024-2026」とのセットだと44000円です。
- 注意点
- 視聴期間が定められています。
Q-Assist 内科専門医試験、QBオンライン内科専門医試験 2024-2026
- 特徴
- メディックメディアが販売している内科専門試験対策講義です。
- 医師国家試験の問題集として有名なクエスチョン・バンク形式の問題集となっています。
- 受験者の情報をもとに専門医が作成・監修した問題を掲載しています。
- 「イヤーノート」の関連ページのリンクがありスムーズに知識の確認ができます。
- 注意点
- 利用期限が定められています。
内科試験対策の個人的おすすめ
ここまで内科専門試験対策教材について解説しました。上記以外の教材もありますが現実問題としてすべてをチェックするのは困難です。下記に内科試験対策の個人的おすすめを書きます。(あくまで個人的な見解です。)
まずは「認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集 第1集・第2集」で試験傾向を把握する必要があります。解けなかった問題は教科書や「イヤーノート」で知識を確認しましょう。
「セルフトレーニング問題」、「生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説」 はトピックになっていること、出題されそうな話題の内容を把握するという意味では良い教材です。セルフトレーニング問題の内容から学習することは良いと思います。しかしセルフトレーニング問題は実際の内科専門医試験と比べると難易度が高いように思います。「セルフトレーニング問題」は勉強しながら答えることを想定しており、内科専門医試験とは難易度設定が異なるものと思われます。
また「CareNeTV」などの講義動画も有効です。医師国家試験合格後に学習が十分でない領域については知識の整理に活用すると良いと思います。またCareNeTVの「長門流内科専門医試験出るズバッ!LIVE」では内科専門医試験で出題される可能性の高い領域が解説されています。自分の理解が弱い部分を重点的に勉強するためにも活用するのが良いでしょう。CareNeTVは月額5500円ですので集中して勉強できる期間に契約するのがおすすめです。
試験対策という点では最終的には知識を詰め込まなくてはならない部分もあると思います。イヤーノートに付属している「内科系専門医試験 Quick Check」、などで繰り返し知識の定着化を図るのが良いと思います。
以上のような内科専門試験対策を行い、内科専門医試験の合格にむけて頑張ってください!




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