内科専攻医研修の修了要件2024年度から

J-Osler

日本内科学会では内科専攻医研修についての情報が公開されています。
日本内科学会 新しい内科専門医制度に向けて
その中で「専門研修プログラム整備基準【内科領域】改定第2版」が2024年10月1日に公開されました。
専門研修プログラム整備基準【内科領域】改定第2版

改訂後の内科専攻医研修の修了要件

2024年度専門研修開始の専攻医7期生から適用される改訂後の内科専攻医研修の修了要件について、説明します。 専攻医は日本内科学会専攻医登録評価システム(J-OSLER)を用いて研修内容を記録し、指導医はその履修状況を確認、評価、承認します。

J-Oslerについてはこちらの記事を参照してください。

内科専攻医の修了に必要な要件としてし下記のようなものがあります。

それぞれについて解説していきます。

症例経験

内科専門研修では幅広い疾患を経験することが重要視されています。 専攻医は主担当医として、カリキュラムに定められた全70疾患群を経験し計200症例以上の経験し症例登録することが目標となっています。

しかし研修病院や地域の特性によって「全70疾患群の経験」、「計200症例以上の経験」が困難なケースもあると考えられることから、内科専攻医の研修修了要件としては以下のようになっております。

  • 主担当医として通算で最低56疾患群以上の経験
  • 120症例以上の登録
    • 外来症例は登録症例の1割まで含むことができます。
    • 各疾患領域は50%以上の疾患群での経験が必要です。
    • 臨床初期研修時(研修医の時)の症例は、
      プログラム委員会が認める内容に限り最大60症例まで登録が認められます。

臨床初期研修時(研修医の時)の症例も最大60症例まで登録することができますが、同一症例の同一期間の登録は1名の専攻医しかできないことになっています。このため自身が研修医の時に担当した症例のうち、先輩の内科専攻医が同一期間の同一症例を登録していた場合には、自身は登録できないものと思われますのでご注意ください。同一症例であっても担当していた期間が異なる場合には症例登録してよいです。

Q:同じ症例を他の方と一緒に受け持っています。このような場合は自分の症例として扱うことは認められないのでしょうか。

A:同一症例の登録については, 担当期間が異なる場合に可能です。専攻医の先生方が複数で担当し, その担当期間が重なっている場合には、主に担当された専攻医の先生が担当症例として登録してください。ここでの主担当医とは、ある期間にその症例を担当して研修した専攻医を指します。

日本内科学会ホームページより引用
https://www.naika.or.jp/nintei/shinseido2018-2/shinseido_faq

各領域における最低登録症例数

内科専攻医研修では各領域において経験が必要な最低限の症例数が設定されています。 これは内科専門医として必要な基礎的な診療能力を幅広く習得するために設定されています。

専門研修プログラム整備基準【内科領域】改定第2版より引用

病歴要約

内科専攻医は研修で経験した症例について29編の病歴要約を作成し、J-OSLERに登録する必要があります。 病歴要約はプログラム内の病歴指導医と日本内科学会の病歴要約二次評価査読委員による評価とフィードバックを受け、査読後の受理(accept)が修了要件となります。

病歴要約提出に関する注意点

  • 全て異なる疾患群での提出が必要です。ただし外科紹介症例剖検症例については、疾患群の重複を認められています。
  • 「総合内科」は「総合内科Ⅰ(一般)」、「総合内科Ⅱ(高齢者)」、「総合内科(腫瘍)」の異なる領域から1例ずつ計2例提出する必要があります。
  • 「消化器」は疾患群の経験と病歴要約の提出それぞれにおいて「消化管」、「肝臓」、「胆・膵」が含まれること。
  • 「内分泌」と「代謝」はそれぞれ1症例ずつ以上の病歴要約を提出する必要があります。
    (例:「内分泌」2例+「代謝」1例、「内分泌」1例+「代謝」2例)

学術活動

内科専攻医は科学的根拠に基づいた思考を全人的に活かす必要性を求められています。
内科専攻医の修了要件の学術活動として下記のようなものがあります。

  • 内科系の学術集会や企画に年2回以上参加する(必須)。
    • 推奨される講演会:日本内科学会本部または支部主催の生涯教育講演会、年次講演会、CPC、内科系サブスペシャルティ学会の学術講演会・講習会等
  • 経験症例をもとに文献検索を行い、症例報告を行う。
  • クリニカルクエスチョンを特定して臨床研究を行う。
  • 内科学に関連する基礎研究を行う。

上記のうち経験症例をもとにした症例報告、臨床研究、基礎研究については、筆頭演者・筆頭著者として、学会発表または論文発表を2件以上行うことが求められます。

JMECC受講

内科専攻医はJMECC(内科救急講習会)を受講する必要があります。 JMECCではシミュレーションによる手技修得の他に、チーム医療を実践するトレーニングとしての役割も果たします。

プログラムで定める講習会受講

内科専攻医は、各専門研修プログラムで出席を求められる講習会を受講する必要があります。 講習会の内容は以下の通りです。

  • 内科領域の救急対応
  • 最新のエビデンスや病態理解・治療法の理解
  • 標準的な医療安全や感染対策に関する事項
  • 医療倫理、医療安全、感染対策、臨床研究や利益相反に関する事項
  • 専攻医の指導・評価方法に関する事項

特に医療倫理・医療安全・感染対策に関する講習は、年2回以上の受講が必要です。

医師としての適性

指導医とメディカルスタッフによる360度評価の結果に基づき、医師としての適性に疑問がないことが求められます。

評価は、社会人としての適性、医師としての適性、コミュニケーション、チーム医療の一員としての適性を評価するもので、無記名方式で行われます。 統括責任者が各施設の研修委員会に委託し、2名から5名までの複数職種による評価を実施します。 結果は担当指導医が取りまとめ、J-OSLERに登録します。 評価結果をもとに担当指導医がフィードバックを行い、専攻医の改善を促します。 年に複数回の評価を実施し、専攻医が複数の施設に在籍する場合には、各施設で評価を行うことが望ましいとされています。

まとめ

改訂後の内科専攻医研修の修了要件は、症例経験、病歴要約、学術活動、JMECC受講、プログラムで定める講習会受講、医師としての適性の6つです。これらの要件を満たすことで、内科専門医として必要な知識、技能、態度を習得し、多様な医療現場で活躍できる内科専門医になることが期待されます。

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