日本内科学会 総合内科専門医試験:受験資格
日本専門医機構主導のもと2018年に新しい専門医制度がスタートし、2021年以降は「内科専門医」に加え「総合内科専門医」も新しい制度の下で誕生しています。今回は日本内科学会が実施する総合内科専門医試験の受験資格に焦点を当て、その概要と出願の際の注意点を詳しく解説します。
総合内科専門医試験の基本的な受験資格(2021年以降)
2021年以降、様々な世代の医師が総合内科専門医試験を受験することになります。共通して求められる基本的な要件があります。
- セルフトレーニング問題の受講:受験する年度の直近5年分において、セルフトレーニング問題を2回以上受講し、かつ正解率60%以上を取得している実績が必要です。
- 例:2025年度に受験を希望する場合、2020年~2024年の5年分の問題が対象です。
- 継続的な内科診療への従事
- 病歴要約の提出:原則として10症例の病歴要約提出が求められます。免除される場合については後に記します。
- 2024年度以降、この病歴要約一式はオンライン出願フォームへのアップロードに変更されます。
受験資格の詳細
医師免許取得年や現在の資格状況によって、出願に関していくつかの違いがあります。
新しい専門医制度での研修を行っている場合には基本的にパス1になります。以前の制度で認定内科医を取得している場合にはパス2、パス3になります。
パス1:新しい専門医制度のプログラム研修を経て「内科専門医」を取得された方
内科専門医資格を取得後に総合内科専門医を目指す場合、内科専門医取得後3年以上の内科研修が必須となります。研修歴の起算点には注意が必要です。
- 試験合格前年度の3月31日までにプログラム修了認定された場合:試験合格年度の4月1日から研修歴がカウントされます。
- 例:2021年3月末までに修了認定され、2021年の内科専門医試験に合格した場合、研修歴の起点は「2021年4月1日」です。
- 試験合格年度の4月1日以降にプログラム修了認定された場合:修了認定日の翌日から研修歴がカウントされます。
- 例:「修了見込」で2021年の内科専門医試験に出願・合格し、2021年11月30日に修了認定された場合、研修歴の起点は「2021年12月1日」です。
パス2:認定内科医を取得後、2021年以降に初めて更新を迎える方(暫定措置)
この方々は病歴要約の提出が1回のみ免除される暫定措置(2026年までの措置)があります。ただし、この免除措置で不合格となった場合は次のパス3の要件に移行し、病歴要約の提出が求められます。
パス3:認定内科医を取得後、一度も更新していない方
この方々は10症例の病歴要約提出が求められます。
また日本内科学会のホームページを参照すると2020年までに1回以上の認定内科医を更新している場合もパス3となるようです。
病歴要約と発表業績に関する重要事項
病歴要約の構成と評価
総合内科専門医試験における10症例の病歴要約は、以下の内容で構成されます。
- 総合内科領域の11カテゴリーに該当する内容:5症例(異なるカテゴリーから作成することが望ましい)。これには、医療倫理、社会と医療、医療安全、診断学・症候学、終末期・死、地域医療、生活習慣病・予防医学、心理・社会的側面、災害医療、高齢者、腫瘍が含まれます。
- 臓器別分野の症例:5症例(消化器~救急まで、領域と疾患がそれぞれ異なること。また、複数のアクティブプロブレムがあるか、上位2つ以上のプロブレムが重篤な疾患であること)。
- 外来症例:10症例のうち3症例の提出が必須です。剖検症例は必須ではありません。
病歴要約は試験の合否判定に含まれます。筆記試験が合格ラインに達していても、病歴要約の評価が「不合格」の場合、最終結果は「不合格」となりますので、十分な準備が必要です。
発表業績
研修歴として有効な期間に、「学会」または「論文」として発表した臨床研究(基礎的な研究は除く)、またはfirst authorで報告した症例報告のいずれか1編の業績提出が求められます。
2024年度以降の主な変更点
- 試験実施時期の変更:これまで9月に実施されていた総合内科専門医試験が、2024年度以降は11月に変更されます。これは台風などによる気象災害リスクを考慮した見直しです。
- 提出物のオンライン化:総合内科専門医試験の受験者、および内科専門医試験受験者の一部(2015年以前の医師免許取得者で認定内科医未取得、プログラム研修に乗らず病歴要約29症例を提出する方)について、これまで郵送であった病歴要約一式がオンライン出願フォームへのアップロードに変更されます。
まとめ
総合内科専門医試験は、内科医としてのさらなる専門性と総合力を証明する重要なステップです。受験資格は医師のキャリアパスによって細分化されていますが、セルフトレーニング問題の受講、質の高い病歴要約の作成と提出、そして適切な研修歴の確保が共通して重要となります。
具体的な試験日や出願期間、より詳しい受験資格については、日本内科学会の雑誌やホームページで随時情報が更新されますので、必ず最新の情報を確認するようにしてください。皆様の受験が実り多いものとなるよう応援しています!



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