医師不足地域に勤務する医師に必要な支援についてアンケート結果を具体的に説明しながら解説します。
アンケート調査の概要
「令和6年度第1回医道審議会 医師分科会医師専門研修部会資料3シーリングに関する研究の報告」では都道府県、プログラム選択理由に関するアンケート調査の結果が公開されています。このアンケートは2020年度~2023年度に専門研修プログラムに登録した専攻医を対象に行われました。19の基本領域の専門研修プログラムに登録した専攻医が対象で、既にプログラムを修了した者も含まれていました。 有効回答数は15,857名、有効回答率は46.3%でした。
医師不足地域勤務に必要な支援
アンケートでは医師不足地域の医療機関に勤務する場合に必要な支援について調査しています。複数回答です。結果は以下の通りです。
- 勤務地や待遇、住まいの調整、子供の就学案内、配偶者の就業支援など希望に添った対応を行ってくれるドクターバンク(公的な無料マッチング事業)がある (54.7%)
- これは最も多くの専攻医が必要とする支援として挙げられており、医師不足地域への移住に伴う様々な不安を解消できる体制が求められていることが分かります。
- 休診時の代替医を派遣・調整してくれる体制がある (54.4%)
- 医師不足地域では休診時の代替医確保が難しい場合が多いと考えられ、休暇取得の妨げになる可能性があります。安定した診療体制を維持するため、そして医師のワークライフバランス確保のためにも、代替医の派遣・調整体制は重要です。
- 診療上のサポート体制がある(専門医への遠隔相談など) (50.3%)
- 医師不足地域では専門医の数が限られる場合があり、専門性の高い症例に対応する際に不安を感じる医師もいると考えられます。専門医への遠隔相談など、専門的なサポート体制も重要視されていると思われます。
- 医師少数地域で一定期間勤務すると、地域医療支援病院の管理者となる国の資格が得られる (46.4%)
- 地域医療への貢献に対して資格などが与えられることで、メリットを感じる医師もいるようです。資格取得により医師不足地域での長期的な勤務を希望する医師が増える可能性もあります。
- 医師少数地域で一定期間勤務すると、医療レベル向上や資格維持に係る経費(研修受講・学会参加等)の補助が受けられる (41.8%)
- 医師不足地域では研修機会や学会参加の機会が限られる場合があり、医師のスキルアップやモチベーション維持が課題となることがあります。研修受講、学会参加費用などの補助があれば、医師は積極的にスキルアップを図ることができます。

まとめ
アンケート結果から医師不足地域に勤務する医師には、生活面・診療面・キャリアパスの3つの側面からの支援が必要とされていることが分かります。医師が安心して医師不足地域に勤務し、地域医療に貢献できる環境を整えることは今後の日本における医療提供を考えるうえで重要と考えます。



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