【内科専門医試験】領域別得点率の解析
2025年度第5回内科専門医 資格認定試験は2025年5月25日と近づいてきました。
今回は内科専門医試験に向けて勉強されている医師の皆様、そしてこれから内科専門医を目指す専攻医、研修医の皆様に向けて、内科専門医試験の領域別得点率について解説していきたいと思います。
なお内科専門試験の対策教材については下記の記事を参考にしてください。
どのような領域に分けられているのか?
内科専門医試験では出題領域は下記のように分類されています。
- 消化管
- 肝臓
- 胆道・膵臓
- 循環器
- 内分泌
- 代謝
- 腎臓
- 呼吸器
- 血液
- 神経
- アレルギー
- 膠原病
- 感染症
- 総合内科
胃癌に関する出題は消化管領域からと考えられます。肺炎に関する出題は呼吸器領域としての出題かもしれませんし、感染症領域としての出題かもしれません。気管支喘息に関する出題も呼吸器領域としての出題かもしれませんし、アレルギー領域からの出題かもしれません。
受験者側の立場からはどの問題がどの領域からの出題となっているかは判別が難しい場合もあります。
第1回から第3回までの内科専門医試験の概要
まずは第1回から第3回までの内科専門医試験の結果について解説します。下記のデータは日本内科学会誌に公表されている情報をまとめたものになります。
| 第1回 | 第2回 | 第3回 | |
| 受験申込者数 | 1987 | 2521 | 2879 |
| 受検者数 | 1965 | 2495 | 2833 |
| 合格者数 | 1856 | 2246 | 2416 |
| 合格率 | 94.45% | 90.02% | 85.28% |
| 第1回 | 第2回 | 第3回 | |
| 平均点 | 73.22% | 71.35% | 69.28% |
| 一般問題 | 67.51% | 72.87% | 70.07% |
| 臨床問題 | 74.39% | 71.02% | 69.10% |
第1回の合格率は94.45%でしたが、第2回の合格率は90.02%、第3回は85.28%と低下してきています。また平均点も第1回から回数を重ねるごとに低下しています。
第1回から第3回までの内科専門医試験の領域別の正答率
次に第1回、第2回、第3回の領域別得点率と、その平均値をまとめた以下の表をみていきましょう。下記のデータは日本内科学会誌に公表されている情報をまとめたものになります。
| 第1回 | 第2回 | 第3回 | 平均 | |
| 消化管 | 70.33% | 65.89% | 69.74% | 68.65% |
| 肝臓 | 73.03% | 62.10% | 70.01% | 68.38% |
| 胆道・膵臓 | 68.72% | 73.82% | 69.52% | 70.69% |
| 循環器 | 78.12% | 79.72% | 75.24% | 77.69% |
| 内分泌 | 61.83% | 70.30% | 67.38% | 66.50% |
| 代謝 | 76.73% | 79.03% | 66.50% | 74.09% |
| 腎臓 | 79.32% | 80.07% | 69.88% | 76.42% |
| 呼吸器 | 78.28% | 70.80% | 65.87% | 71.65% |
| 血液 | 70.60% | 70.89% | 75.26% | 72.25% |
| 神経 | 74.91% | 71.56% | 64.19% | 70.22% |
| アレルギー | 77.90% | 72.49% | 64.27% | 71.55% |
| 膠原病 | 72.16% | 73.23% | 83.65% | 76.35% |
| 感染症 | 74.59% | 70.25% | 75.01% | 73.28% |
| 総合内科 | 68.77% | 66.68% | 64.95% | 66.80% |
この表からいくつかの重要な傾向が見えてきます。
得点率の高い領域
過去3回を通して平均得点率が高い領域は、循環器 (77.69%)、腎臓 (76.42%)、膠原病 (76.35%)、代謝 (74.09%)、感染症 (73.28%) などでした。これらの領域は受験者全体の平均でみると理解度が高い、あるいは出題難易度が比較的易しい可能性があります。これらの領域で確実に得点することが、合格にむけては重要となるでしょう。
得点率の低い領域
一方で平均得点率が低い領域には、内分泌 (66.50%)、総合内科 (66.80%)、消化管 (68.65%)、肝臓 (68.38%) などが挙げられます。これらの領域は受験者全体の平均では苦戦しやすい、あるいは出題難易度が高いと感じる受験生が多い可能性があります。自分自身の苦手領域とこれらの領域が一致している場合には重点的に対策することが重要です。
回ごとの得点率の変動が大きい領域にも注意
以前の記事でも触れましたが、肝臓、内分泌、代謝、呼吸器、神経、アレルギーなどは、回によって得点率の変動が大きいです。これらの領域はその年の試験の難易度や出題傾向によって大きく左右される可能性があるため、幅広い知識と深い理解が求められます。
平均得点率を踏まえた今後の対策
今回の平均得点率を加えた分析を踏まえ、今後の試験対策では以下の点を意識すると良いでしょう。
内科専門医試験の受験者の方のほとんどは内科専攻医としての研修を行いつつ、何かしらのサブスペシャリティ領域の研修も行っているあるいは今後検討しているものと思います。自身の研修しているサブスペシャリティ領域については追加の学習の必要性は多くはないでしょう。
一方で平均得点率の高い領域を苦手領域としている方はその克服が重要になると思いますし、特別苦手分野がない方は平均得点率の低い領域の学習を行い、より高い得点率を目指すのが良いと思われます。
また総合内科領域は対策しにくい分野と思われます。救急や集中治療などに関連した項目なども総合内科領域として出題される可能性がありますので、この点も対策しておくと良いでしょう。
感染症領域については感染症内科以外では意識しないと学習しにくい領域ではないかと思いますので重点的に対策しておくのが良いと個人的には感じます。
まとめ
過去3回分の領域別得点率と平均値を分析し、内科専門医試験の各領域における対策を考えてみました。この分析結果を活かし、自身の得意な領域、苦手な領域と比較して、学習計画を立てることが合格への戦略になると思います。
今後の内科専攻医研修に関する情報を発信していきますので参考にしていただければ幸いです。




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