日本専門医機構のホームページに2025年度採用専攻医のプログラム応募シーリング数が掲載されました。(https://jmsb.or.jp/kenshu/#an08)
シーリング(ceiling)とはもともとは「天井」、「最も高い値」などという意味がありますが、専攻医研修制度における「シーリング」は「診療科ごと、都道府県ごとに設定された募集定員」と解釈して良いでしょう。
シーリングのある診療科では「研修プログラム」は「通常募集プログラム」、「連携プログラム」、「連携プログラムのうち都道府県限定分」、「特別地域連携プログラム」に分けられます。
例えば2025年度募集では東京都の内科は「通常募集プログラム」は398、「連携プログラム」は123、「連携プログラムのうち都道府県限定分」は31、「特別地域連携プログラム」は52となっており、これらの合計した「シーリング数」=「募集定員」は573となっています。(https://jmsb.or.jp/kenshu/#an08)
| プログラム数 | |
| 通常募集プログラム | 398 |
| 連携プログラム | 123 |
| 連携プログラムのうち都道府県限定分 | 31 |
| 特別地域連携プログラム | 52 |
| 合計 | 573 |
「通常募集プログラム」、「連携プログラム」、「連携プログラムのうち都道府県限定分」、「特別地域連携プログラム」の違いについて解説します。
「通常募集プログラム」とはその名の通り標準的な専攻医の研修プログラムとなっています。3年間の研修期間のうちでシーリング対象となっている都道府県での研修期間に制限のない研修プログラムになります。ただし研修プログラムに関して下記のような見解があり、「基幹施設での研修を1年以上、基幹施設以外での研修も1年以上」が必要になります。
整備基準「項目23 専門研修基幹施設の認定基準」に示されるように,基幹施設は診療経験の大半の研修が可能な環境を有しており,その観点からも基幹施設での研修期間は一定程度必要と考えられる.このため「原則」として,基幹施設での研修を1年以上,基幹施設以外での研修も1年以上とする.
「基幹施設と基幹施設以外での研修期間についての見解」より引用
https://cdn-naikaprod.pressidium.com//wp-content/uploads/2017/10/point.pdf#page=3
「連携プログラム」は3年間の専攻医研修期間のうち1年6か月以上をシーリング対象外の都道府県で研修することになります。https://jmsb.or.jp/kenshu/#an08によると2025年度の内科の場合、シーリング対象外となっているのは東京都、京都府、大阪府、和歌山県、鳥取県、岡山県、徳島県、福岡県、長崎県、熊本県です。「連携プログラム」では東京都、京都府、大阪府、和歌山県、鳥取県、岡山県、徳島県、福岡県、長崎県、熊本県以外での研修を1年6か月以上することになります。
なお2025年度のシーリングについてはこちらの記事をご覧ください。
「連携プログラムのうち都道府県限定分」ではその診療科の医師の「足元充足率」が0.8以下の都道府県で1年6か月以上の研修を行うことになります。https://jmsb.or.jp/kenshu/#an08によると2025年度の内科の場合、2018年足元充足率が0.8以下の都道府県は青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、福井県、長野県、静岡県、山口県、宮崎県です。「連携プログラムのうち都道府県限定分」では青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、福井県、長野県、静岡県、山口県、宮崎県での研修を1年6か月以上することになると思われます。
「特別地域連携プログラム」ではその診療科の医師の「足元充足率」が0.7以下の都道府県で1年以上の研修を行うことになります。https://jmsb.or.jp/kenshu/#an08によると2025年度の内科の場合、2018年足元充足率が0.7以下の都道府県は青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、新潟県です。「特別地域連携プログラム」では青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、新潟県での研修を1年以上することになると思われます。
上記のようにシーリングのある診療科では「研修プログラム」は「通常募集プログラム」、「連携プログラム」、「連携プログラムのうち都道府県限定分」、「特別地域連携プログラム」に分けられます。専攻医の立場としては研修施設の所在地に制限のない「通常募集プログラム」を選択したいところですが、研修施設の定員の関係で「連携プログラム」、「連携プログラムのうち都道府県限定分」、「特別地域連携プログラム」での登録を勧められることもあると思われます。事前に研修を考えている施設の担当者と連絡をとり、どのプログラムになるのか確認することをお勧めします。




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